熊本県天草市にある丸尾焼という窯元の窯元日記です。陶芸に興味のある方はチェックすると面白いかも・
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2016年06月17日
天草大陶磁器展の企画委員会がほぼ終了した。様々な計画が有り、現時点でかなり予算オーバーしている。今からは予算をどう削っていくかが焦点になる。今年は熊本の震災が起こり、結果として・・・消費がどのように振れていくのかわからない。天草の宿泊施設などに現状を聞いてみたりするのだが、客足が回復したという話を聞かない。地震で焼物が割れたという話はよく耳にするが、これから秋口にかけて・・・焼物を購入しようと考える人が増えるかといえば、全く判らない状況だ。今後を推測しながらオーバーしている予算の絞込を行う必要があるが、予測できない近未来を予測しながらの予算組になる。これからは慎重な上にも慎重な予算組を考えなければならないと思う。
陶磁器展は実行委員会形式で運営を行っている。一般的には天草市が行っていると思われているが、陶磁器展の場合、基本的には実行委員会が責任を保ちながら企画立案を行っている。勿論、結果に対する責任も実行委員会に帰属するはずだ。はずだと書いたのは、基本的にはプラス運営ができているので、責任を問われたことがなく・・・結果として責任を履行していると確定しているのだろう。しかし、一旦マイナスがでた場合のことを考えると、誰が責任を取るのかということが明確になっていない。もし・・・マイナスが出てしまえば、責任は実行委員会にあるのは間違い無いので、そのことを肝に銘じながら今年の陶磁器展の予算組を行わなければならない。
天草大陶磁器展の実行委員会は、天草の他の企画に比べ自由度が高いと思う。高い理由は自主的に企画を立てているからだろう。自由にと自主的にということの裏には自己責任という背景が存在する。簡単に言えば赤字を切った時には実行委員会の責任ということだ。陶磁器展が大きくなればなるほど、責任も大きくなるわけで・・・実行委員長の責任はそういう意味でもとても大きなものとなってくる。今年は陶磁器展にとっても大きな転換点で、今年から天草の陶芸の振興を目的として、一年を通した計画を作りたいと考えている。私があと何年間今の役職を務めることが出来るかわからないが、しっかりと道筋は示しておかなければならないと思う。一年を通じた振興が出来るようになれば、面白いものが作り出せるのではないか。そう思いながら陶磁器展の企画を考えてきた。
理想的を言えば陶磁器展の売上で全てを賄うことがベストだと思う。天草の陶芸家だけで陶磁器展を開催できるようになればとも思う。しかし、それができるようになるには・・・まだまだ力不足だ。理想と現実との間には必ずギャップが存在する。理想を掲げ現実を見つめ最適解が何処にあるかを探りながら、これからの展開を考えてゆく必要がある。計画を立てる時には思わず・・・夢が昂ぶることもあるが、現実を見れば昂ぶった夢を諦めることもあるかもしれない。何事も一進一退だと思えば、現状を卑下する必要もない。積算した予算案を見ながら、近未来を予測しつつ、最適解を探す仕事が始まる。
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2016年06月02日
会議が続いている。昨夜は天草大陶磁器展の会場部門の企画会議。陶磁器展の根幹をなす部門だけに会議は4時間におよび、午後7時から始まった会議が終了したのは午後11時だった。同業者との会議は思いの外楽しい。基本的には同じ土俵で戦っているので、色々な点が・・・判っているからだ。一つ一つの議題を進めていっても、さほど大きな乱れが生じない。話を進めながら、同じ舟に乗っているのだと再確認することも多い。一つ問題なのは議論が少し外側に外れてしまいがちになること。同業のよしみで、ついつい話が脱線したりすることもある。もっともその脱線の結果として、新しいアイディアが生まれたりするので、脱線があながち悪いわけでもないのだが・・・
会議を重ねると解ってくることがある。それは会議をかさねるごとに、考えなければならないことが増えていくるということ。一つの問題が終わると、新しく2つ考えなければならないことが生じたりする。会議は単なる通過点に過ぎず、責任者の仕事は・・・考え続けることだということに気が付く。会議の後に会議の資料を作成し、次のアウトラインを検討する。全体の進捗状況を整理し、現状を確認し次の課題を考える。陶芸展は趣味ではなく本業に関わることなので、徹底的に考えることを繰り返している。会議の前には、整理された項目を書き出し・・・レジメを作成し会議に備える。基本的にはこの繰り返しだ。結局、単純なアイディアの組み立てを、体系化出来るかどうかが結果に直接的に繋がってくる。
陶磁器展は企画自体が大きくなってきており、企画内容も多岐におよぶ。展示会会場全般の企画立案は幾つもの面倒なことが、交差して出来上がっている。今回は例年に比べしっかりと企画会議を重ねている。昨年までは個人商店のようなやり方で進めていたが、今年からはしっかりと議論を踏まえ、最適解を導き出すという方法で進めている。基本の企画が出来上がれば、次は実行計画を作成する手順に移る。そこから先は、又・・・個人商店のような仕事の進め方になると思うが、今月の半ばまでは基本的な企画を考えることが続く。変えなくても良い所と、変えたほうが良いところを吟味しながらの会議が続くことになる。
天草大陶磁器展の開催は11月のはじめ。今は6月のはじめだからあと5ヶ月後の開催となる。今の段階での計画の進捗は3割くらいだろうか。基礎的な企画が出来上がりつつあるところだ。今年は熊本で震災が起こり、これから先どのように、熊本県が変化していくのかが判り辛いが、一つだけはっきりしていることは、昨年よりもバージョンを上げて、多くの人々に陶磁器展に行ってみたいと・・・・思われるものを作り上げなければならない。天草の陶芸家が力を合わせて、他の土地にはないような企てができればと思う。昨日の日記にも書いたが、地方を作り上げるのは人材なのだと私は確信している。
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2016年05月27日
今日はとても慌ただしい。明日から花しょうぶ祭が始まり、今日は搬入日。熊本の鶴屋デパートでは今日から震災後の開店へ向けたプレオープン。私のところも出展して欲しいということで・・・数日前に作品を搬入した。3男は長野の松本で行われる松本クラフトフェスティバルへ。。。明日から始まるのだが・・・先ほど無事に松本に着いたという連絡があった。長男は熊本で行われる近藤良平氏のパフォーマンスを観にでかけた。今年の秋の街中ギャラリーの打ち合わせも兼ねているようだ。そんなこんなで・・・今、工房には私を含め3人しか居ない。私は何故か店番。こういうことはめったに無いのだが・・・・もっとも私は店でお客さんが来るのを見張っている係。お客さんが来ると逃げるようにして裏で仕事をしている人を呼びに行く係なのだ。
私は接客が得意ではない。だから、展示室に出ることもあまり無い。仕事の打ち合わせで展示室を使うことは多いが、接客することは殆ど無い。と言うか・・・数年に一度本当に工房に人が居ない時に接客するくらいだ。。。今日はお客さんが来ると裏から人を呼ぶ手筈になっているので、こうして窯元日記を入力しながら、客待ちと言うか客見張りしているということだ。もっとも・・・今の私は計画を立てることが非常に多く、そのことに追われている。今日の朝、次男が今の親父を観ていると、本当に大変だと思う・・・ご苦労さまですと・・・そんな言葉をかけてきた。明日から始まる『西久保公園・花しょうぶ祭り』も私が企画委員長として企画したイベントだ。
窯元日記に最近書くことが多いが、今は天草大陶磁器展の企画に追われている。この企画は年々大きくなっているので、考えることも膨大になっている。膨大なものをどうやって効率化するかということも並行して考えなければならない。思考に関する時間の短縮が・・・今の宿題かもしれない。陶磁器展は8つの部門から成り立っている。今年は明確に部門分けをした。そのほうが結果的に効率が上がると考えたからだ。会議をかさねる必要があるが、しっかりとプランニングするための必要なコストだと思う。不要な部分が削られ、必要なことが継ぎ足されてゆく。結果的に良い計画になっていくはずだ。イベントの成否は本質的にはそこにある。出来上がるまでにどれだけ考えられたかということだと私は思っている。
もっとも会議を重ねても、それは著在的な思考のみになってしまうとも思う。みんなが集まって話をしながら決めていくので、表側の意識だけで・・・イベントを組み上げてしまう危険性があるのではないかという思いだ。私は思考が煮詰まった時に、潜在脳を働かせ助けられることがある。思考を著在の領域から一旦消し去って、洗剤脳に考えさせるようにしている。突拍子もないアイディアはそこから生まれることが多い。会議を重ねるだけでは言葉からのみ・・・企画が積み上げられ、何処にでもあるようなアイディアしか生まれないのではないか?どうやってみんなの意識下にある、素晴らしいアイディアを見つけることが出来るか・・・企画のはざまで・・・そういうことを考えている。
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2016年05月25日
天草大陶磁器展の会議が続いている。今は基本計画を議論しているところなので、企画委員会を開催しているところだ。今年は8つの企画部門に分かれ基本計画を練ることにしているのだが、実行委員長はその全ての会議の司会をするということにしているので、とても慌ただしく過ごしている。もっとも何回も会議を重ねなければならない委員会と、そうでもない委員会がある。委員の数自体も10名を超えるものから、2人だけの委員会と・・・構成も様々だ。自慢に聞こえるかもしれないが、これほど実際に企画委員会を重ねる会は、天草大陶磁器展くらいだと思う。
企画委員会を重ねる理由は、今までの陶磁器展を再度見直して、更に一回り二回り大きくしたいと思っているからだ。そう考えた最大の理由はやはり熊本の震災だ。天草は直接的な被害はなかったと言われている。確かに沢山の家が崩壊した(何軒かは崩壊した家があるらしい)ことはなかったし、人的な被害も殆どなかった。しかし、震災後の天草への来島者数を見ると、観光産業などは記録的な被害を受けている。今、現在客足が回復しているかといえば、回復していないし、回復の見込みさえたっていないのが現状だと思う。
天草は地震の被災地ではないだろう。直接的に被害を受けていないからだ。しかし、直接的な被害とは言えない被害は・・・とても大きく被っている。おそらく今回の地震は私達にとって生涯に一度、有るか無いかというくらいの天変地異だろう。島原の眉山が崩壊した時『島原大変肥後迷惑・・・』と言われた時と同じようなこと(津波は来なかったけれど)が、今起こっているのだと思う。そう考えれば、我々は何をなさなければならないのか?私たちは・・・それを考えることから始めなければならないと思う。もちろん、一人の力で出来ることは限られている。だからみんなで知恵を合わせて考えなければならない。
会議を重ねるのは、全体の力をどうすれば結集できるかと思うから。議論を積み重ねることで、小さな知恵が次第に大きな知恵のうねりになっていくことを期待している。実際に様々な意見が出ていて、今年の陶磁器展は魅力的なものになりそうに思える。まだアイディアのみの段階ではあるが、天草はもちろんの事。。。熊本や阿蘇の人達にも希望が持てるような陶芸展にしたいと思う。秋には知恵の実りを見せたいと思いながら過ごしている。
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2016年05月24日
天草大陶磁器展の企画が始った。一つ一つ企画を検討し、今年はどういう催しにするのかを考えることは楽しい作業だ。今の私は陶芸の企画に限らず様々な企画を立てる時期を迎えている。幾つもの企画・立案に携わっているが、自分なりのルールがある。企画は慣れてくるとどうしてもマンネリ化してくる。どんなに新鮮な気持ちを持って考えても、同じような内容になってしまうのだ。理由を考えてみた・・・成功した企画ほどそういうマンネリに陥りやすい。前例主義になってしまうことと、上手くいったこと自体が一種の壁になってしまうからだろう。
予算配分がどうしても似てしまう。上手くいった企画には手厚く予算配分し、今1つだった企画の予算を大幅に削ったりする。結果として上手くいったイベントに意識が集中してしまう。なんだか去年と変わらない。。。という思いを抱くのは。そこに原因があると思う。企画を立てるときに注意しなければならないことは、成功体験をいかに捨て去るかということかもしれない。もっとも・・・成功した企てには成功した理由がある。そこをすべて捨ててしまえば・・・ことは上手く運ばなくなる。
正当な攻め口は成功へのとても重要な要素だろう。成功した原因は正当な攻め口だともいえる。その店はしっかりと守らなければならないが、それだけではきっちりとマンネリ化してしまう。基礎的な企ては正当なものであればマンネリでも構わないが、それに付加する企画が刺激的かどうかがポイントかもしれない。陶磁器展は焼物を販売することが一番の目的だ。ここを動かしたら来る人にとってもつまらないものになるだろう。自分の焼物を探しに来る人にとって、好みの焼物を探すことが一番の楽しみだろう。出展陶芸家の充実・・・それを進めていってもマンネリとは言わないだろう。。。
良い企ては暴言から生まれるような気がしてならない。暴言というよりも暴走かも知れないが・・・最初に耳にした瞬間は、そんな馬鹿なと思うようなことが、冷静になって考えると魅力的だったりする。とくに女性が繰り出す暴言・暴走は・・・面白いと思うことが多い。男性の考えにはない魅力的な企画が出たりするのだ。それ以外には・・・ピンチがチャンスになることも多い。マイナスにしか思えなかったことが、プラスに作用して素晴らしい企画になったりする。基本ラインがしっかりしていれば、楽しい道草のような企画が大化けしたりすることが多い。企画の醍醐味はこの辺りにあるのかもしれない。時間と闘いながらも企画に没頭してしまうのは、こういった発見が沢山あるからかもしれない。
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