企画を立てながら考えたこと。

あるが・・・あるがままに・・・ひるねをしていた。あまりにも気持ちよさそうに寝ていたので、思わずカメラにおさめた。実はiPhoneがバージョンアップして、カメラの起動が安定してきたので、いつでも写真が撮れるようになった。携帯に何でも付いていることは・・・本当に便利だと思う。日本は幕の内弁当を発明したほどの国なのだから。。。カラパゴスと自嘲している暇があったら、もっともっと何でも付いている携帯を開発して欲しいと思う。

iPhoneの素晴らしいところは、やはりスタイルが出来上がっていることだろう。出来上がったスタイルを支持する人が多いのだと思う。私はこの秋からアンドロイド携帯を使ってみようかと思ったりしているのだが、やはり、何でも出来る事は・・・ポケットの中身を出来るだけ減らしたい人間にとってはとても魅力的なのだ。しかし・・・あるの・・あるがままは・・・わがままである。

秋の日差しが・・・段々忍び寄ってきている。夏が不得意な人は、過ぎ去りつつある暑さを思いながら、すでにセンチメンタルな気分が差し込んでいるのかも知れないが、工房は四人が搬入だったので・・・少し寂しい気配も漂っている。やはり、若い連中の喧噪がないと、なんとなく寂しいのだ。焼物を干している先の空気の中に少しだけ秋の気配が漂っている。

やはり夏は終わったのだと断定出来るような一枚の写真。夏過ぎて・・・秋が来る。私は秋が好きなので・・・少しだけワクワクしている。もっとも・・・それは単に暑くないからなのかも知れない。
今日は熊本の搬入日。四人体制で朝の9時に天草を出発。私は留守番・・・もっともこの何年も搬入にはほとんど行ったことがないので、まわりもすっかり私の存在を搬入の時には忘れている。猫の手を借りたいほどの忙しさでも・・・金澤の手は借りたくないというのが正確な表現で、まあ、そこまで自体が進んでしまうと、技術と言えるのではないかと思う。私は常に効率化を考える男なので、搬入のような実直に仕事をしなければならないことは、余り得意としないのだ。人間には向き不向きがあるのだから仕方がないと、私自身はそういう思いで搬入組を見送るのである。
居残り組の私は、福岡の展示会に向けた企画書の作成を行った。福岡の会場の持ち主が通常の陶磁器展は面白くないので、しっかりした企画をお願いします言われたのだ。私は企画することは得意な人間で、むしろ、企画のみが人より秀でているのではないかと思えるほど、企画に熱中する男なので・・・この申し出では有り難く承り、現在企画進行中である。私の企画の欠点は壮大になりすぎるところだろう。今回の企画もたかが田舎の焼き物屋なのに・・・思わず、全世界の経済状況から説き起こしてしまった。壮大すぎるがために・・・他人から暇人だと思われるのも私の欠点だと思う。
もっとも今私の所が盛んに行っている・・・実験的な試みも、工房で仕事をしながら感じたことを、ディスカッションしながら企画を立てていったことで、背景には今の時代と言うことが横たわっている。泰平の世の中ならば、今ほどあくせくしなくても良かったろうし、仕事の展開を探るために、色々なところを回ることも無かったかも知れない。私達の認識では・・・今はやはり転換点で、その転換点にどのように動くのかは、これから先5年10年という時間軸で見れば、決定的な分岐となってくるのではないか。自分たちがどこから来て、今どこにいて・・・何処に行こうとしているのか・・・と言うこともとても重要なことだと思うが、今の人達が・・・どこから来て・・・今どこにいて。今から何処に行こうとしているのかを、しっかりと見極めることも。モノ作りにとっては、とても重要なことだと考えている。
我々の仕事は、全世界に工業的に輸出するようなものではない。近代や工業が、インターナショナルな方向へ進化していくならば、我々はおそらくインナーナショナルな方向へ進化していくのだろう。拡散し単一化する方向で進化する世界にあって、手でものを作ることに収斂し、多様化する方向でしか次の展開を見いだせないというのが、私が今感じている工芸の方向性だ。若い頃にモノ作りは社会と対峙しているのだと教えられた。社会と対峙する姿勢を保ち続けることが出来る間は、モノ作りは錆びない。観測しながら常に答えを考え続けること。それが私達のモノ作りの原点でもある。
比較的長い文章を書き続けて・・・二ヶ月が経過した。毎日書き続けても書くことは尽きない。おそらく、これからは実作の時間が多くなるので、制作日記に近いものに変化していくような気がしている。次の目標は半年間書き続けること。楽しんで書ければいいと思っている。
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| 陶芸 | 18:16 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑