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丸尾焼窯元日記

熊本県天草市にある丸尾焼という窯元の窯元日記です。陶芸に興味のある方はチェックすると面白いかも・

2010年08月 | ARCHIVE-SELECT | 2010年10月

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倉敷展示会強行軍

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 倉敷に入る直前の朝日。夕方に天草を出たのだが、無理はしないように走ったので・・・倉敷に入ったのは午前7時くらいだった。陸橋の合間に朝日が見えて思わずシャッターを押し立てみた。iPhoneのカメラはレスポンスが悪いので、撮影する時にはタイムラグを考えなければならない。先読みでシャッターを押すことになるので・・・勘が良くなるのだ。


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 日本郷土玩具館を正面から撮影してみた。倉敷は美観地区というところが一番の観光名所なのだが、そのほぼ中央に位置している。郷土玩具館は幾つもの蔵を連ねた作りで、重厚な雰囲気の佇まいだ。倉敷を訪れたときには必ず寄る場所だったが、今回こういうご縁で展示会をするとは・・・陶芸という仕事の楽しみの一つでもある。


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 左側から見た構図。この写真には丸尾焼の告知も入っているが、この文字がなかなか決まらなかった。場所柄を色々考えてみたり、どういう事態を使うのかを考えてみたり、店の雰囲気を壊さないようにと色々考えた結果・・・こういう風に出来上がったのだ。角角の文字はあまり書かないのだが・・・今回は街に会わせて・・・

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 倉敷美観地区を流れる運河。船頭さんがいて和船を漕いでいた。船を操る姿は初めて観たが、観光客には人気となっていて、沢山の人が船を楽しんでいた。美観地区自体も以前と比べて蔵の街が徹底されてきていた。風景としてはかなりまとまっているが、その分箱庭のようなセットのような感じもした。人のイメージに近づけていくと・・・どんどんセットのように見えてくる。

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 帰りの車の中で観た夕焼け。実際はもっと広大な景色だったのだけれど・・・iPhoneでは表現が難しい。もっとも私の能力の問題なのだが・・・



 倉敷の日本郷土玩具館プラスワンギャラリーという所で展示会開催。一昨日と昨日搬入と初日・・・初日終了後・・・とんぼ返りという強行日程で、天草ー倉敷を車で移動した。片道8時間半の道のり。まあ、疲れました。この3日間はブログの更新も出来ませんでした。簡単に日程を書くと・・・9月26日午後7時過ぎに天草を出発→道中9時間→27日早朝、倉敷到着→搬入及びセットアップ終了27日午後11時30分→ホテル 日本郷土玩具館丸尾焼展初日→1日目ほぼ終了→倉敷発午後5時30分2→一路天草へ→天草到着28日午前2時半・・・という強行軍でした。搬入スタッフ総勢6名。トラックと少しだけ荷物の載る車に代で搬入。まあ、毎回のことではありますが・・・かなりのハードスケジュールでした。ちなみに日本郷土玩具館は倉敷の美観地区にある日本の郷土玩具を集めた蔵造りの建物で、私も倉敷を訪れた時には必ず立ち寄っていた場所でした。倉敷国際民芸館のすぐ隣の建物です。

 最近の私の所のテーマである、有る場所へ作品を持って行き・・・一日掛かりでセットアップをして、作品を並べると言う試みで言えば、かなり完成度が高くなっていると思う。今回は天草より車で8時間から9時間かかる場所での展示会だったが、ほとんど問題なく進めることが出来た。このところ私の所はものをピックアップして、天草以外の場所で展示会をすることが多くなっているが、そのこと自体をどれだけ短時間になおかつ合理的に行うのかが課題となっている。倉敷までものを運びそこで展示会をセットアップすることは実際問題としては、かなり大変な作業だと思うのだが、全体として考えれば・・・ほぼ企画と搬入という意味では完成の域に達しつつあるのではないか・・・と思えるところまで来たと思う。

 勿論、まだまだ広報についての力が弱かったり、展示会自体の細部については煮詰めていかなければならないところがあると考えるが、幹と枝の部分に関してはおおむね仕事の進め方が完成したのではないかと思う。これは私1人でいくら考えても進まない話なので、全体として底上げが出来てきたから出来るようになったのであり、その意味では、次の展開が楽しみになってきたと思う。長男が考える街中ギャラリー的な展開と私が考える、色々なところで展示会を行うという路線が、ある程度、見えてきたと言えるのかも知れない。この窯元日記に何度も書いていることだが、今から先は多角的な展開を考えていかなければならない。従来の方法ではなかなか結果が見えにくくなっているからで、試行錯誤を繰り返しながら・・・最適解を模索していく必要がある。遠いところにものを持っていき、ものを並べて、作品を販売する。この作業は、今まで私の所が一番苦手にしていたことだ。この課題を克服する術が少しづつ見えてきたことは、とても良い兆しだと私は思っている。

 今の時代をどう考えるのかについては、色々な見方があると思う。今の日本がどこへ向かいつつあるのかを考えることは、モノを作る私達にとって、一番大きなポイントと言えるかも知れない。製造業が外へ出て行く時代だと言われているが、私達の仕事にとってそれは現実的な話ではない。倉敷は備前焼を背後に控えているところだ。倉敷にも備前焼を扱う店が何軒もあったが、私が見る限りかなり疲弊しているように見えた。どこの産地も現状維持するためには相当な努力をしていかなければならないと思うが、同じ場所に留まっているだけでは、いずれじり貧になるのは目に見えている。はてさて・・・どう考えていかなければならないのか???私の所は兎に角走ってみるという方針で進めているのだが・・・考えなければならないことが山のように存在していて、時代の変わり目は大変だと言うことを改めて実感している。
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