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丸尾焼窯元日記

熊本県天草市にある丸尾焼という窯元の窯元日記です。陶芸に興味のある方はチェックすると面白いかも・

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次に作るアイテムを考えていた。2010年12月8日

 半日ほどかけてこれから何を作るのかを検討する。何を作るのかが決まっていないことを奇異に感じる人も居ると思うが、今佳境を迎えつつあるのが在庫の補填。これにおよそ一月ほどかかっている。あと1週間ほどで一通りの在庫快復が出来るので、その後何を作るのかを考えているのだ。次男が年末から鯉江先生のところに修業に行くので、天草にいるうちに何を作らせるのかも頭の痛い課題だ。次男は製造に関しては私のところの柱の一本なので、半年間工房を開けるのは工房としては厳しいところがある。工房は販売も確かに重要ではあるが、製造出来なければ売るもの自体が存在しなくなるので、やはり柱の1人が現場を離れるのは厳しいという現実がある。天草を彼が離れる前に何を作らせるのかは、これも重要な問題でもあるのだ。難易度の高いものを作らせると数が伸びてこない。簡単なものを作らせると数は出来るのだが、残ったスタッフでもクリアー出来るものなので、簡単なものは出来れば残ったスタッフで担当させたいという気持ちもある。今まで半年間の研修は3人送り出したが、次男はメインで轆轤を回すスタッフの1人なので、居ない間の対応も厳しいのである。

 私のところのメインの仕事は食器類だ。飯碗、湯飲み、コーヒーカップ。。。それに皿とマグカップと言ったところが最近の主要な作品だ。今年の10月以降・・・在庫の危機的状況が続いていた。理由はやはり展示会を重ねたことと、天草大陶磁器展の仕事が忙しかったからだ。注文が比較的多かったことも在庫が少なくなった原因で、こういった複合的な要素で在庫が少なくなった。今回約一月ほど欠けて在庫を増やしていくように努力しているのだが、なかなか思うように捗らなかった。少しずつ計画的に在庫を増やすことを進めていかなければ、増えてこないのが実際のところで、少し増えたかと思えば次の注文が入ったりと、仕事の進捗状況にさえ苛立つようなことがしばしばあったのである。生産量を上げるための方策を色々立てて、何とか来週の終わりには一通りの在庫補填が終わりそうだが・・・・一段落ついたあとに何を作るのかを考えなければならないのである。

 ものを作ると言うことは需要との戦いでもある。在庫不足は嬉しいことではあるが、せっかく工房を訪れてくれるお客さんにとって、丸尾焼のほぼ全てを観て頂くことが展示室の目的なので、展示室にものが少ないという状況は何としても避けたいと思う。私の工房は他の工房から比べると大きな展示室を持っているので、お客さんも工房へ行けば丸尾焼の全てを見ることが出来るという思いで、遠方から工房を訪れる人も多い。そう言うお客さんのためにも在庫切れという状況は何としても避けたのである。更に言えば・・・せっかく来てくれたお客さんには出来るだけ新しい丸尾焼を観て貰いたいと思う。新しい傾向の作品が展示室に並んでいれば、来た会があったと思われるからで、やはり本拠地である丸尾焼の展示室には、常に新しい作品が並んでいる状態を作りたいのである。

 飯碗・湯飲み・コーヒーカップという丸尾焼の本来のラインは、ここ一二年で積極的に見直しを進めてきた。このラインに今すぐに新しい作品を加える必要はないと思う。アイテムを積極的に増やしてきたので、これ以上種類を増やしても余り大きな変化はないはずだ。それよりも今私が考えているのは、レギュラーラインの作品以外をどう作り上げるのかという課題だ。習熟度の高いスタッフが少ないので、どうしても簡単なものを中心とした作品構成になる。難易度の高い作品はどうしても数が出来ないので、後回しになってしまう。たとえば、急須やポットなどは私のところでとても人気の高い作品なのだが、本気で作ると習熟度の高いスタッフが1人必要になってしまう。今の私のところはそう言う体制をとることが出来ないので、後回しをするうちに後手に回って作品が存在しないという状態になってしまう。工房のトップにとって最も重要なことの一つが、次に何を作るのかを決めることなのである。それに加えて自分が何を作るのかを決めなければならない。考えることが・・・多すぎて、走りながら考える状況に陥りつつある。師走と・・・よく云ったものだと思う。
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