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丸尾焼窯元日記

熊本県天草市にある丸尾焼という窯元の窯元日記です。陶芸に興味のある方はチェックすると面白いかも・

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暮れと晴れの窯出しの準備 2010年12月10日

 明日から工房で暮れの窯出し。毎年の恒例行事だ・・・毎年この時期はお客さんが増える時期なので明日から年明けの3日まで開催することにしている。私の工房は年中無休だ。例年に元旦の午前中だけが休みであとは365日午前10時から午後6時半まで営業を続けている。時々お客さんから大変ですねと言われるが、ローテーションで展示室を開けるようにしているので、さほど大変なことでもない。いつも工房を開けていると言うこと家業だから当たり前のことだという思いがある、工房の中に住んでいるのだから・・・仕事は年中無休と言うことになる。そこにお客さんが来ているのに店を開けないという感覚の方が私には信じられない。勿論・・・美術館や作品の入れ替えなどがあるところが休みを取ることは理解出来る。デパートなどもある程度商品をまとめて入れ替える必要もあるだろう。しかし私の工房のようなところは休まないでも営業出来るわけだから・・・休まないという私の方針に従って営業しているのだ。

 もっとも製造現場はそう言うわけにはいかない。ものを作る過程はやはり複数で仕事を進める方が能率が上がる。1人で仕事をするより10人で仕事をした方が、仕事の効率が高まるからだ。もっともみんなが休みの時に仕事の能率が上がることもある。やはり内的な要素の強い仕事は回りに人が居るよりも、自分1人で仕事をする方が集中して仕事をすることが出来るのだ。ものを作る過程の不可思議の一つだが、実作するところに人を絶対にいれない作り手も存在している。人に自分がものを作る過程を見せたくないのだろう。結局兼ね合いの話になるわけだが・・・自分1人が仕事をしやすい時もあるし、人と一緒に仕事をした方が能率が上がる時もあるのだ。

 私のところに長く務めていた人達は、独立して一時期ものを作るペースが落ちることが多い。私の工房には何時も人が居るので、遅刻など出来ないし、時間は基本的に厳守されて仕事が進められる。そこに以下泣けレはならないという思いが仕事に一定のリズムを作り、毎日決められただけの時間正確に仕事をする習慣が出来る。何を作るのかを指示されて、その通りにスケジュールを消化していくと、1日が経過して・・・一週間が経ち、一月に連なる。工房の仕事とは基本的にそういうものなのだが、独立するとそう言う枷が存在しなくなる。いつ仕事場に出ても良いし、いつ仕事を休んでも良いからだ。何を作れと言う指示もないし、いつまでに何をしなければならないと言うことも基本的には存在しなくなる。独立して暫くは自由という開放感に浸るのだが、そのうち指示をされないことに不安感を持ち始め、自分で計画を立ててそれを消化していくことになる。暇な時には無理矢理企画を作ったりして、ものを作るモチベーションを奮い立たせていくわけだ。そうやって試行錯誤しながら自分本来のあり方を模索していくのだが、それが出来上がるまでに数年かかる場合もある。

 工房は仕事をするところだから、常にプレッシャーを与えた方が仕事自体は効率が良くなる。これは意識の問題で、明日何もないと思えば人は何も考えなくなる。明日何かをしなければならないと判っていれば、やはりその目標に取り組むのだ。イベントは外に向けての効果もあるが・・・うちに向けての効果も大きな要素だ。暮れの窯出しも私の工房にとっては一年締めくくりの行事として重要な位置にある。物事を決まった時に決まったように行う。激変している今だからこそ・・・努めていつも通りに仕事をしていきたいと思う。変わるものと変わらないものが時代という篩にかけられると、私は考えているから・・・月並みな企画も本当はとても重要なことだと思う。長い年月・・・風雪に耐えると言うことはそう言うことなのではないかと思っている。
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