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丸尾焼窯元日記

熊本県天草市にある丸尾焼という窯元の窯元日記です。陶芸に興味のある方はチェックすると面白いかも・

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ボーダーレス時代のボーダー化 2010年12月22日

 今日まで工房での仕事を休むことにした。風邪は快復していてほとんど通常と変わらないのだが、ぶり返しが怖いこととまだ水を触る気にならないからだ。今年の私はかなり色々なことをインプットしてきたと思う。その中でも一番大きかったことは、色々なところを周り、その土地の実際の空気を沢山吸い込んだこと。テレビで観ても決して判らないことが空気の中に含まれていて、吸い込むことによってどういう吐き出しをすればいいのかが少し判ってきている。ものを作ることは呼吸をするようなことだから、どういう吸い込みをしてどういう吐き出しをするのかはとても大きな課題なのだ。インプットとアウトプットも同じく呼吸のようなものだ。吐き出すためには吸い込まなければならない。実際に今年私が精一杯吸い込んだのは・・・時代という空気だったのだと思う。思う存分と言うほどではないのだが、1年かけてインプットしたのだから、あと考えなければならないのはどうアウトプットしていくかだろう。

 ビジョンという言葉がある。辞書でひけば・・・心に描く像。未来像。展望。見通し・・・とある。今という空気をインプットしたのだから、明確なビジョンが出来てアウトプットの準備が出来ているかと聞かれると・・・もうすこし時間が欲しいと思う。全くビジョンが見えていないのかと言えば、ある程度のビジョンは見えて来つつある。しかし、それが的確で修正をする必要がないほどのものなのかはまだ私自身判らない。実際はまだまだ修正が沢山必要で、未完成な者かも知れないし、ほぼ正解が出来ていて、あとは部分的な少しの修正だけで済む段階かも知れない。そこのところは判らないのだが、この方向に仕事を進めていこうと言うことに関してはぶれが無くなりつつある。これは外に出て行った結果・・・ぼんやりとしていたものが、次第に明確になりつつあると言うことなのだが、形に移し替えていこうとしている段階なのだろう。何が一番優先するべきなのかをしっかりと見据えながら、形を作り上げていかなければならないと思っていところだ。

 今年も色々なことを取り組んでみて一番強く思うのは、やはり、今は時代の大きな転換点なのではないかと言うことだ。今までは当たり前だったことがどんどん当たり前では無くなりつつある。当たり前だったことが当たり前でなくなりつつある背景には、時代という途方もないエネルギーが介在しているし、そのエネルギーの前では工芸という仕事も一枚の葉っぱのような存在でしかない。今のような時が過去にあったかを検証してみれば、やはり、私の工房に置いても何度かそう言う時が存在している。その時時に先人達は勇気を持って舵を切ってきているし、新しい課題に積極的に向き合っているのだ。転換点ではやはりダイナミックに転換することが基本のようで、私の工房も業態を変更するなどの対処をしながら、次の時代を切り開いてきたのだと思う。勿論・・・一気呵成に全てが変化してしまうこともあるし、一進一退を繰り返しながら、少しずつ変化していくこともあるので、どの程度のスピードで時代が要求するのかは今のところまだ判らないのだが、一つ確かなことは・・・時代のダイナミズムに合わせて変革をしていかなければならないと言うことだろう。

 今・・・考えなければならないのは、これから数十年間のスキームをどう構築するのかと言うことだろう。それは工芸家のライフスタイルをどう再構築するのかと言うことにも密接に関係してくる。世界がボーダーレスで行き詰まりつつある中・・・少し過剰なくらいのボーダー化が突破口となるのではないか???それはつまりは、線引きのない世界ではなく、線引きのハッキリした社会なのではないのか。世界の状況を見るとボーダーレスで・・・あまねく格差が無くなるというのは、幻想で、ボーダーレス社会の出現で、社会の不安要素もボーダーレスに拡がりつつあるのではないかというのが、直近の私の偽らざる思いなのである。陶芸という世界でボーダー化するといういささか乱暴な考えが私の中の思いであるのだ。それは、私の頭の中だけに存在しているので、まだ発表出来るところまでは達していないのだが、言葉で表すとそう言う言葉に落ち着いてしまう。今私が考えていることはそう言うことなのである。
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