FC2ブログ

丸尾焼窯元日記

熊本県天草市にある丸尾焼という窯元の窯元日記です。陶芸に興味のある方はチェックすると面白いかも・

2010年11月 | ARCHIVE-SELECT | 2011年01月

| PAGE-SELECT |

≫ EDIT

今の先・・・にあるもの 2010年12月25日

 昨日の夜からすっかり冷え込んでいて・・・寒さに震えている。部屋の中は暖房を入れているので、暖かく過ごせるのだが、一旦外に出ると冷気が身体にしみこんでくる。天草は南国なので外の寒さにはめっきり弱い。今日は雪もちらほらと舞っていたりして、寒い地方にいるような錯覚を覚えるほどである。昼過ぎには一時期だが雪が降ったりして、三男がホワイトクリスマスだと嬉しそうに空を見上げていた。寒さにあまり強くない私はこの寒さの前で佇んでいる。少しだけ部屋の温度を上げて、あまり外に出ないという1日を送った。外気温が今現在一度を指しているのだから・・・この時期の天草にしてはたいそうな冷え方だと思う。どうやらこの天気は明日まで続くようで、コンピューター上の画面には明日の気温最高5度・・・最低3度と表示されている。部屋の中は18度に保っているので・・・外に出ると本当に冷気がしみこんでくる。私は部屋の中で今日も来年からのことを考えていた。

 昨日の夕方に若いスタッフと少し話をして、彼女たちが言ったことを再度検討してみたのだ。一般的に考えれば一般的な考えにしか届かない。私はそういう意味ではとてもノーマルな考え方をするので、自分一人で考えて出てくる結論はとてもオーソドックスな結論になりがちである。勿論、それはそれで的確な考えだと思うのだが、的確すぎておもしろくないということもあると思っている。これは私と妻が陶芸のことを二人で話した結論などもそうで・・・オーソドックスすぎて、面白味に欠けるという傾向が出てきていると思う。これは同じく昨日の夜に次男と話したときに・・・彼は焼き物を30年やっている親父たちは、ある意味出し尽くしたのではないかという意味のことを言ってきた・・・確かに同じ人間が30年間・・・作品のデザインをしてきたのだから、デザイン的に同じ系統の作品になるのは仕方のないことかもしれない。次男はそれを出し尽くしたと表現したのだろうが・・・この言葉も私の心の中に引っかかっていて、どのような方向性を打ち出していくのかという思いをさらに深化させているのである。

 私の所の仕事は絞り込んで考えれば、真っ当に実直に仕事をしているところだと思う。仕事のやり方はまじめそのもの。。。その結果として、私の所を出た人たちは何とか焼き物でご飯を食べていくことが出来ているのだが、その理由は、やはり真っ当に仕事をするという姿勢をみんなが身につけて育っていったからだと思う。ただ、今私が考えていることは、新しい枠組みを見つけてそれを実行していくことが出来ないかと言うことで、それは、何も座業だと言いながら、一日中轆轤の前で仕事をしなければならないと言うことでもなさそうで・・・工房の仕事のエッセンスとして、工房の気風に何を加えていくのかという、ターニングポイントなのかもしれないと思ったりするのだ。勿論、基本的な仕事の形態が変わるわけではなく、工房の仕事の空気の中にどんな調味料を加えるのかという話になると思うのだが、本質的にはこの問題はかなり重要なものだと思うので、早く答えを見つけたいと思うのかもしれない。今回の原点はかなり仕事の出来るようになってきた次男が、外に出て修行をすると言うところから始まったことなので、次男の出し尽くしたという表現にはいささか戸惑ってしまったのだが・・・時の移り変わりとは案外そういうものなのかもしれないと思っている。

 もっとも私はそう遠くない将来に隠居をしたいと考えている。隠居後も焼き物を作り続けていきたいと考えているが、それは気の向くままの仕事で良いと思っている。工房の仕事はすべて息子たちに任せて、彼らの時代の仕事をしてくれると良いと思う。私は何もなかったところに30年かけて丸尾焼という工房を作ったのだから、そこで一つの区切りをつけて良いのではないか。。。私が仕事を始めたときには妻と二人で工房を始めたのだ。いま・・・私の所には息子が3人いるのだから、彼らが時代と戦いながら工房を作り上げていけばいいと思っている。ただ・・・一ついえることは、次の30年間の根底を流れる理念とエッセンスをどう作り上げるのかと言うことだろう。その最初の方向を指し示すまでは・・・私の仕事だと思っている。ふかく・・・深く・・考えてみたいと・・・思い始めているところである。
スポンサーサイト

| 陶芸 | 18:32 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

| PAGE-SELECT |