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丸尾焼窯元日記

熊本県天草市にある丸尾焼という窯元の窯元日記です。陶芸に興味のある方はチェックすると面白いかも・

2014年03月 | ARCHIVE-SELECT | 2014年05月

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シーマンシップと海難事故

 海の男達の精神はシーマンシップという言葉で表される。海の上は治外法権なので、指揮命令系統が明確である必要があるからだ。基本的には弱いものの生存を優先する。助け合う。命令に従う。常に最悪の状況を想定して動く。つまり、助け合い弱い者を優先し、困難に対して協調しながら海原を越える精神ということだろう。海での決まり事は沢山の事故が繰り返されることによってできあがっている。事故には必ず原因があり、結果が存在するからだ。

 こういう背景があって、海外では海洋で子供達を教育するプログラムが数多く存在する。イギリスでは貴族の師弟が海洋少年団と呼ばれるスクールで、集団生活の基本をたたき込まれるという話も聞いたことがある。日本では戸塚ヨットスクールが有名だが・・・今でも戸塚ヨットスクールに関して賛否があるのは、厳しい戒律で人を育てることと、やりすぎて事故が起きることが、諸刃の剣として横たわっているからだと思う。海で生き残るためには、生きるか死ぬかの瀬戸際まで、たとえ訓練であっても追い込まなければならない。ここに戸塚ヨットスクールに対して賛否の争点があるのだ。

 シングルハンドで航海するということは、どんな状況に置いても一人で対応することになる。怪我をした時も誰もいないわけだから、傷口を自分で縫合すると聞いた。考えてみれば当たり前のことなのだが、陸上にいるとそういう状況にはならない。海の上ではすぐに極限状態が発生する。嵐がやってきたり、マストが折れたり、急病人が出たり。常に危険と隣り合わせなのだ。船に乗る人たちは基本的に同じ状況にある。外洋でも内海でも、一人で海に出るということは危険と隣り合わせなのだ。

 閉鎖系の空間である船において、今回の惨事は乗客である弱者を優先しなかった。これは信じられないことだ。昨年もヨーロッパで船長が先に船から脱出した事件があったが、今回も同じような状況のように見える。船の上では船長は最高責任者であり、指揮系統のトップだ。現場から指揮者が離脱すると、指揮系統は混乱する。シーマンシップと一般の船乗りは違うのではないかと思う人がいるかもしれないが、海という状況は全く同じであり原則も同じだ。3等航海士の女性が操船していたというニュースもでているが、船長が操船現場に居なかったということも、通常では考えられない。謎は深まるばかりで、現実の厳しさばかりが目立つようになりつつある。無事を祈るしかないが、それも限界に達しつつある。
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