丸尾焼窯元日記

熊本県天草市にある丸尾焼という窯元の窯元日記です。陶芸に興味のある方はチェックすると面白いかも・

2016年04月 | ARCHIVE-SELECT | 2016年06月

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伝統工芸協会青壮年部

 熊本県伝統工芸協会の総会。私の会長任期2年が終わり再選される。今年は去年からの懸案であった伝統工芸協会に青壮年部を発足の承認を受けた。日本の伝統工芸・・・全てに言えると思うが、伝統工芸は全般的に急速な高齢化が進みつつある。高齢化の進捗と後継者の不足。この2つが同時進行しているという訳だ。同時進行の先には何が起こるか、現在の少子高齢化と同じような状況が伝統工芸産業全般にも起こるということだろう。健全な産業は人口分布がピラミッド型になる。高齢者が頂点に存在し若年層が裾野というカタチとなる。このカタチを保つことができていれば、その産業は健全な状態にあると言える。現在の伝統工芸の世界はほぼ逆ビラミッド型。20年先30年先を考えると、絶望的な気分が押し寄せてくる。

 伝統工芸協会に関しては、この30年間の変化は世の中のニーズで示すことが出来る。比較的需要のある陶芸などは比較的後継者が多いが、この30年間で需要が激減した仕事は、後継者がほぼいなくなっている。伝統工芸のような小さな産業は、個人がほそぼそと技術を伝承しているケースが多い。従って、一旦、技術が途絶えてしまうと再興することはほぼ困難となる。技術の根幹である基礎的情報から高度な技術情報まで一挙に途絶えてしまうからだ。個別の業態については言及する訳にはいかないが、伝統的な和玩具などは、かなり高齢化が進んでいる。後継者を育てるためには、長い年月が必要となるので、20年後を考えるとかなり厳しい状況になるだろう。

 工芸品を無理に残す必要があるのかという意見もある。無くなってしまうことは残念であるが、ニーズそのものもも無くなっているという考え方だ。残すためのコストをを社会が負担するべきではないということだろう。そういった考え方もわかりはするが、一度無くなってしまえば、二度と復元できないであろう工芸を、みすみすなくして良いのかどうか。そのことについてもしっかりと議論しなければならないと思う。私は一つの工芸品が日本から無くなってしまうということは、とりも直さず・・・長い年月を経て培われたものが、一つ一つと社会から無くなってしまうことを意味しており、豊かなという根源に近い価値が消滅していくのではないかと危惧している。

 勿論、過去の作品に執着し、変化をしないことを伝統だという意見に私は与しない。世の中は急激に変化する時も、緩やかに変化するときもあって、変化にしなやかに対応してこそ健全だといえる。今は急激な変化の時である。急激な変化に対応するためには、若い人の対応力がとても大切になるだろう。青壮年部を協会内に作った理由は若い世代の対応力に、期待を込めた結果である。全員が上手く行くほど世の中は甘くはないだろう。しかし、その中から何人かの人が答えを導き出し、その人達が先頭に立って他の若い人達を導くことができれば、20年後も30年後も存在出来る、伝統が出来上がると思う。そんな期待を込めて・・・青壮年部を設立した。
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