丸尾焼窯元日記

熊本県天草市にある丸尾焼という窯元の窯元日記です。陶芸に興味のある方はチェックすると面白いかも・

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今を顧みて・・・将来を予測すること。 2011年1月15日

 沖縄の焼き物やさんで修行を続けていたAさんが工房を訪ねてきた。昨年の秋に熊本に帰ってきて、窯を開こうと県内を観て回っていると言うことだった。彼女とは知り合って10年ほど経つ・・・いよいよ独立に向けて歩み始めるのかと、県内の焼き物事情を説明してあげた。彼女の希望は県内のどこかで独立すること。その土地の土を使い作品を作りたいと言うことだ。天草の現状を話したり、県下の陶芸の現状を話したりと県内各地の焼き物の現状を、自分なりの見方を含めて話していった。現状のことは比較的簡単に説明できるのだが、今後の予想をしながら話し始めると、面白いことに気がついた。実は私はあまり県内の焼き物を作る人を知らないと言うことだ。勿論、古くから焼き物を焼いている人はよく知っているが、この10年間くらいに仕事を始めた人は殆ど知らないことに気がついて愕然とした。勿論天草の作り手はすべて知っているのだが、それ以外の所の作り手は数えるほどしか知らない。そういう状態でいろいろなところの未来を予測するのだから、後から考えると私も随分と無責任な人間かもしれないと思う。

 ただし、私の予測はそんなに外れないだろうという確信もある。どの地方がどうなるという予想を立てたかはここに書くわけにはいかないが、今の私が感じている予想はこれから10年というスパンで考えても、さほど外れないだろうと思う。私はこの30年間常に焼き物仕事に携わってきた。そしてそれは検証の歴史でもある。今を分析して、これからを予測し、未来の姿を想像する。この作業を延々と繰り返す行為が私の仕事の一部だと言っても過言ではないからだ。その繰り返しが日常になっているので、ある地方の陶芸の将来を予測することはさほど難しい話ではない。どういう手順で将来を予測するかと言えば・・・その土地に核となるパーソンが存在するかどうかが一番はじめの取りかかりとなる。長い時間、継続してリーダーシップをとれる存在がいるかどうかは、その地方の陶芸を予測する上で最も重要な鍵となる。そういう人が存在する地方は長いスパンで観ると必ず浮上してくる。人の営みであるから・・・当たり前のことではあるのだけれど。。。

 次に重要なことは、その地域で陶芸を行う人たちの構造がピラミッド型を形成しているかどうか。どんなに優れた中核的な存在がいても、ただ一人で仕事をしていては、それは一代話にしか過ぎない。その周辺にある程度の窯が存在していて、なおかつピラミッド型の構成になっているかどうかが重要な要素だ。逆ピラミッド型の産地も多数存在するが、そういう所はかって良かったところであり、将来はじり貧になってしまう。本来、自然発生的に産地化するところは、自然にピラミッド型の従事者の構成になるのだが、出来るだけ短時間に地域を作り上げるためには、ある程度は意図的にそういう構成を作り上げていく必要がある。もっともその状態をキープしてやるためには常にその産地が拡大する必要があり、常に拡大の方向に地域を作り上げることはとても難しいことでもあるのだが・・・

 3番目に重要なことは、そのピラミッド型の構図の中に綺羅星のように人材がいるかと言うことだ。勿論、すべての人が綺羅星であることが望ましいのだが、みんながみんな優れた作り手というわけではない。全体の中にきらりと光るものを作る人がいるかどうかで、10年、20年という単位で考えれば、素晴らしい産地ができあがるのだと私は考えている。私は産地化と言うことをテーマにこの10年ほど仕事をしているので、地域を作り上げる重要なプロセスは実のところ以上の3点ではないかと考えている。なぜ産地化するのか・・・あるいは産地化することが大切なのか・・・それはこれからの地方にとって、地域の地場産業を持ち得る所のみが、生き残ることが出来るからだと思う。県内の地域の状況をいろいろ話しながら、そういうことなのだとあらためて考えている。

 彼女へのアドバイスは・・・今だけを観るのではなく。長いスパンで考えて何処なのかを考えてほしいということである。ゆっくりじっくりと考えることが出来ればいいと思う。
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丸尾焼5代目窯主 金澤一弘氏

金澤さんとの縁は、かれこれ10年長となる。 きっかけは、春に、丸尾焼のギャラリーを私がバイク(当時カワサキのエリミネーターLX)で訪れたことだった。 明らかに、皿を見る目が、一般人と違ったらしく(笑)、声をかけて頂いた。 それを機に、旧本渡市の陶芸の街...

| 帰熊してからアキヨシ製陶所ができるまでの山やら谷やら。 | 2011/01/20 17:13 |

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