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丸尾焼窯元日記

熊本県天草市にある丸尾焼という窯元の窯元日記です。陶芸に興味のある方はチェックすると面白いかも・

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何処から来て、今何処にいて、何処へ還らなければならないのか。。。

 今回の陶磁器展で、ディスカッションを沢山行おうと考えた一番の理由は、グローバルという考え方に辟易していたからだ。資本主義経済も最初の段階では、有効な経済発展のメカニズムだったのかもしれないが、経済規模がこれだけ大きくなると、巨大資本に抵抗できなくなる。資本はもちろんだが、情報、利便性など、グローバルの中心に位置する人達が圧倒的に優位になってくる。この数年間・・・新自由主義などと言われると、絶望的な気持ちになることが多かった。国境が意味を成さなくなり、生産する場所が賃金の低いところへ流れるとすれば、日本の地方はどうやって生きていけば良いのか。勝者が勝者の論理を振りかざして、世界を正当化していけば、中央でないところで生きていく人達はどうなるのだろう。私が考え続けてきたことは、煎じ詰めればこの一点に収斂する。私は4年ほど前にこれからの地方は、資本主義経済からの脱却しか、他に方法はないのではないかと考えた時期さえあった。

 この傾向に変化が起こっていることは、今の世界を見回せばすぐに理解できる。アメリカでさえ、大統領選挙でナショナリズムが台頭しており、どちらが勝つのか予断を許さなくなっている。巨大資本が世界を席巻し、生産地を賃金の低いところへ移動すれば、それまで生産を行っていたところは壊滅的な被害を受ける。アメリカでさえ衰退した都市は、基礎的産業の海外移転である場合が多い。グローバルに成長するためには、国内においても局地的に大きな衰退が起こるのだ。このことに対しての反発が世界中で起こっている。ヨーロッパなどを見ても、移民に低賃金の仕事を奪われた人達の反発が顕著になっている。誰が考えても、持続的な発展を得ることが難しくなっていることは明白ではないか。日本を見ても2%のインフレ目標が未だ達成されていないのが現実だ。

 パネルディスカッションの文章の冒頭に、陶芸家の卵に話しをする機会があったと書いた。私の感覚では陶芸家の修業はつまるところ、徒弟制度である。徒弟制度の歴史を調べてみると、およそ700年から800年前に職制として成立したようだ。このやり方で日本はかなり長い期間、徒弟という制度に準じ生きてきたことになる。明治維新に西洋の制度を取り入れ、日本は近代化を急速に行ったが、初めの頃は徒弟制度も共存して行われていた。つい最近までは徒弟制度もいろいろなところで残っていたが、今ではほとんど西洋型の職業制度が当たり前になっている。徒弟制度は今ではブラックな仕事に区分けされているのではないか。本当か嘘かわからないが、大企業では週休3日を検討するところも出てきているという。ITで様々なことを行うようになればそれが可能なのだという。だとすればそう遠くない将来、週休4日が出てきて、そのうちに週休7日という会社が生まれるのだろう。

 そう考えた時に、私はもう一度徒弟制度を考える必要があると感じたのだった。理由を挙げれば、これからの地方は特別な場所を創りあげなければ、埋没してしまうと感じたからだ。もっともすでに大半の地方都市は埋没しつつあるのだが・・・卓越した物を作り出すためには卓越した技術が必要だ。そのためには卓越した職人の技術が必要となる。『我々は何処から来て、今何処にいて、今から何処に還るべきなのか』 恐らくこれからの地方は、このことをもっと強く意識して地域を作らなければならなくなるのだろう。今、私が考え始めていることは、パッケージを含めた地方の再構築なのだと思う。そのためには手仕事や徒弟制度や、古いと思われている価値感が、再認識されなければならない。ものを作る仕事が機械に奪われてしまう世界が本当に豊かな未来なのか、徒弟制度は本当にブラックな仕事なのか・・・そんなことを考えることが日課となりつつある。
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